センターファインダー

工具

鉄道模型では素材にドリルで穴を開けることは、避けて通れない作業で、ボール盤を用いて位置が罫書かれた素材に工作するのが普通だろうと思う。
この工作の肝は、罫書かれた位置に、如何にしてドリルのセンターを合わせるかで、そのために、何年も前にセンターファインダーなるものを作った。
しかし、フライス盤を導入して以来、素材に罫書くことは殆どなくなった。つまり、フライス盤XYテーブルを用いて、原点からの距離で穴開け位置を決めていた。と云う訳で、センターファインダーの出番がなくなってしまった。

所が、今、作ろうとしている鉄道模型のパーツでは、XYテーブルを用いるよりは、素材に罫書く方がやり易そうなので、久し振りに素材に罫書いた上で、ポンチでマークを付け穴あけ作業に入ろうとした。所が、センターファインダーが何処に行ったのか、見付からない。

自慢じゃないが、我が道楽部屋は、高齢の男が独りで昼間の限られた時間帯を好き勝手に過ごしている場所なので、掃除は行き届いていないし、整理整頓も全く出来ていない。寧ろ、だからこそ居心地が良いとも云えるのだが・・・。

そんな状況なので、何処かに紛れ込んでしまっているのだろう。心当たりを色々と探してみたが見つからなかった。

仕方がないので、センターファインダーを改めて作ることにした。

実は、作り直すに際して、キャップと本体はネジ止めにし、周囲にはローレットを切る積りで、工作を進めた。
その際、ネジのサイズをどうするかが問題だが、手持ちのダイスをチェックした所、M6からM12に飛んでいてその中間のM8M10のサイズがない。小生の工作の内容を考えると、M8M10の太いネジを切る機会は殆どないので、ここで揃えるのも無駄になりそう。と云う訳で、M12を前提に工作を進めた。

所が、M12のネジを切る段になって、全く歯が立たないことが解った。それもその筈で、M12ともなるとネジ山の高さが1.4mm程になる。1mm以下の厚さを扱う鉄道模型からすると、極厚と云える程で、幾ら柔らかな素材の真鍮とは云え些か無謀な考えだった。

かなり昔に作った写真左側のエッジファインダーも、実はネジ切を諦めて、仕方なくイモネジ止めにした筈で、全く学習効果のないことで汗顔の至りと云うしかない(汗)
と云うことで、今回も、イモネジで止めることにしたが、手持ちのイモネジがないので、今は普通の+ネジで代用している次第。

簡易割り出し器

工具

鉄道模型では円周上に一定の間隔を置いて穴を空ける作業が多い。
例えば、簡単なものでは1060製作記(174)チリコシの様に、4ヶ所十文字に0.3mmの穴を空けた。複雑なものでは、1060製作記(127)煙室関係-2の様に沢山の穴を綺麗に空けなければならない場面もある。

複雑な場合は、ML-210の純正アクセサリーの割り出し円テーブルを使って作業を進めているのだが、4個や6個の穴を空けるのにわざわざ割り出し円テーブルを持ち出すのも面倒臭い。簡単な方法はないかと考え、結局、好い加減な方法で何とか誤魔化して来た。

しかし、これではイカンと一念発起して、左の図の様な簡易割り出し器を作った。
先ず、純正アクセサリーのチャック取り付けアダプター(上部の紫色のもの)には24個の目盛りを刻み込んだ。
そして、アダプターに取り付ける本体は真鍮の端材から削り出した。

使い方は、
1)を6Mのボルトでアダプターに取り付け、
2)ミーリング・バイスに固定した本体を挿入し、
3)アダプターに刻んだ24個の目盛りを頼りに、一定角度アダプターを回し、
4)写真の白いネジで固定した上で、
5)穴あけなどの作業を行い、又、一定角度回して・・・・
を繰り返すことによる。

これで少しは工作の精度が上がるのではないか、と期待するのだが・・・。

フライスカッター・アーバー

工具

鉄道模型の工作で、小さな真鍮のブロックに0.3mmの溝を3本平行に切る必要が出て来た。

フライスカッターは手許にある0.3mm厚の物を使うことにしたが、このカッターは改造したプロクソンミニサーキュラーソーの刃の予備なのだが、フライス盤で使うには、手持ちのアーバーではサイズが合わない。

そこで、2008年に作ったアーバーと同じ構造のものを、快削鋼を使って作った。

これで、鉄道模型に工作に掛かれる様になった。

フライ・カッター

工具

鉄道模型の工作で、材料の真鍮棒の端面を18mm径で切削する必要が出て来た。
生憎その持ち合わせがないので、自作した。

本体の材料は快削鋼で、シャンクを10mm、バイトを咥える部分を12mmにした。

バイトは、折れたエンドミルでシャンク径は4mm。刃先はグラインダーで適当に削った。

今回は、模型工作に使うので簡単なモノにしたが、時間があればもう少し本格的なモノを造りたいと思う。

リベット打出し器-改造

模型用治具

リベット打出し器2今から10年以上も昔に作製したリベット打出し器にレバーのストッパーを取り付けた。

これまではストッパーがなくても、それ程不都合は感じなかったので、ないままで過ごして来た。
しかし、現在進行中の形式1060のリベットを打出した所、リベットの高さや形状が場所によって少し違っているのが気になって来た。これまでも、当然、力の入れ具合によって打ち出されたリベットの状態が違っていた筈だが、気が付かなかったのか、気が付いても許容範囲だったのか、兎に角、気にならずにいた。

所が、1060では何故か気になってしまった。
気になった以上、対策を打たなければならない。
そこで、リベットを打出す圧力を一定にするためにレバーのストッパーを設けた。これで、リベットの形状も揃う筈で、作品の出来も良くなるだろう。

フライス盤DRO化(9)-改良

DRO(デジタル・リード・アウト) 工作機械用治具

FM80E(A)の簡易DROには、MonotaoブランドOMDC200X軸に、OMDC150Y軸に使用していた。

このデジタル・ノギスを選定した理由は、コストが安いこと防滴タイプであることにあったが、実際にDROとして使用すると、不可解な点があった。
つまり、XYテーブルのハンドルを回して移動させている際のデータ表示は、0.01mm単位で増減するのが当たり前である。勿論、ハンドルの回転スピードを早くすると、もっと大きな数字で増減するのは解るが、極力ゆっくりとハンドルを回しても、何故か表示されている数字が0.02mmずつ増減するのである。

従って、決められた寸法だけテーブルを動かそうとすると、これが非常に難しい。例えば、与えられた寸法が10.00mmだとした場合、ハンドルを動かす直前に表示されている数字が偶数である場合は、比較的楽に合わせることが出来る。所が、奇数であった場合は10.00を中心に前後を行ったり来たりを繰り返し、偶然に偶数になった瞬間を狙って・・・を繰り返す以外になかった。
しかしながら、0.00だけは別格で、増減どちらの方向かからでも、0.00にはピタリと表示されるので、正直云って、何かしら作為的なものを感じざるを得ない。

ノギスの本来的な使い方ではこの様なことにはならないのかも知れないが、兎に角、DROとして使う限りOMDC200OMDC150にもこの現象があった。

0.01mmの相違は、小生の技量では誤差の範囲なので気にすることはない。
と自分に云い聞かせながらこれまで使っていたが、どうにも精神衛生上好ましくない。
とうとう我慢が出来なくなって、シンワ測定1997519976を購入して、Monotaroブランドのノギスと取り換えた。

これで、工作の精度が上がることはあり得ないが、少なくとも位置合わせに時間を取られたり、イライラすることはなくなる筈。

因みに、どちらも器差:0.03mm、最少読み取り値:0.01mm、繰り返し精度:0.01mmとカタログ上の性能差はないが、何故この様なことになるのだろうか?

フライス盤DRO化(8)-Y軸-改良

DRO(デジタル・リード・アウト) 工作機械用治具

小生のデジタル・ノギスを使った簡易DROは・・・・・、
X軸については、主尺バーを可動にしてデータ表示部を固定している。一方、Y軸の方は逆に主尺バーを固定して、データ表示部をテーブルの動きと共に前後に動く様にしている。

と云うのは、データ表示部を固定していると、テーブルの位置によってはデータ表示部がテーブルの陰に隠れてしまって、肝心のデータが読めなくなってしまう。この辺がデータの読み込む部分と表示部分が一体となっているデジタル・ノギスを利用した簡易DROの泣き所で、読めなくなる事態を避けるために、データ表示部をテーブルの一番手前に固定して、常に読める様にしている。

これに対して主尺バーの保持は、テーブルに対して平行に、尚且つ台に対して水平になっていなければならない。そのためにはX軸と同じ様に主尺バーの両端を固定して平行&水平を確保するのが本来だと思う。しかし、データ表示部をテーブルの一番手前に固定したために、両端で保持するだけのスペースがなくなってしまった。
そこで、仕方がなく主尺バーを片持ちにせざるを得なかったが、これによって主尺バーの保持が不安定になってテーブルの動きに伴って上下に動き、不具合の原因となったのだろう。

結局、データを読み易くするか、精度を求めるかと云うことになるが、簡易DROである以上、どちらかを諦めなければならない。

今回、施した改善策は満足すべきものではないかも知れないが、主尺バーを指で押さえる等して動かさない限り、数字が変わることはなさそうなので、取り敢えずこの状態で使って行こうと思う。

フライス盤DRO化(7)-Y軸-改良?

DRO(デジタル・リード・アウト) 工作機械用治具

フライス盤を導入したのは、鉄道模型の出来映えの向上を図るためで、そのために、フライス盤を導入して真っ先にDRO化を行った。
DRO化することによって、材料に対する刃の位置決めが非常に簡単にしかも正確に出来る様になるので、作品の出来が格段に良くなる筈・・・。

所が、形式1060の工作を進めている内に問題点が顕在化して来た。
特にY軸方向が顕著で、原点からの絶対座標を使って位置決めをしているのに、微妙にズレが生じていることが分かった。従来であれば、この程度のことであれば、気にもせず工作を進めていたのだが、折角、フライ盤を導入しDRO化した以上、これは面白くない。

と云う訳で、ノギスの取り付け方法を替えてみることにした。
抜本的にはフライス盤のテーブルを一旦取り外して、ノギスを取り付けるためのタップを切ったりすべきなのだろうが、分解したものを精度良く組み立て直す自信はない。そこで、今回もフライス盤に手を加える必要のない方法を模索した。

FM80-DRO-010これまでは、データ表示部をネオジム磁石でテーブルに直接貼り付けていたが、今回は、テーブルを前後で挟む様に取り付けたアルミのバーにネジ止めをした。

こうすることによって、アルミのバーはテーブルの動きに同調するが、それ以外の前後の動きは完全に防止出来るし、その結果データ表示部の動きも抑えられる。

一方、ノギスの主尺バーの固定は、良い考えが浮かんで来なかったので、マグネット・ホルダー台の前後にアルミの直角アングルを強力両面テープで貼り付け、前後の動きを抑えた。

そして各パーツを取り付けて、テストしている内に、主尺バーを上下に動かすと表示されているデータの数字が変わることに気が付いた。

つまり、データ表示部主尺バーの前後の動きを抑えるだけでは不十分で、主尺バーの上下の動きも抑える必要があると云うことだ。主尺バーの両端を固定しているX軸では、気になる程のズレがないのに、何故Y軸がと思っていたが、原因はどうもスペースの関係で主尺バーを片方だけで固定していることにありそうだ。

フライス盤のDRO化(6)-Z軸-訂正

DRO(デジタル・リード・アウト) 工作機械用治具

z軸用のネオジムマグネットホルダーが手に入ったので、未完だったZ軸用の主尺バーの固定を行なった。

ネオジムマグネットホルダーはスペースに余裕がないため、これまでの様に2個使いが出来ない。従って、より吸着力の強いネオジム磁石1個で固定することにした。

因みに、これまで使ったネオジムマグネットホルダー(TNMG-10)と今回購入したTNMG-13の仕様を比較すると、

品番 吸着力(N) 外径(mm) 高さ(mm) 単価(税抜き)
TNMG-10 30 10 8 828
TNMG-13 67 13 8 936

単価は税込みで120円程高くなるが、僅かに直径が大きいものの吸着力は倍以上なので、全てこのネオジムマグネットホルダーを使えば良かったと、今になって悔んでいる。

Z軸の主尺バーの固定が完了した所で、上下の移動幅を改めてチェックしてみた所・・・・・・。

大きな勘違いをしていることが分かった(大汗)

ハンドルの目盛りを0に、デジタル表示を0.00にセットして、ハンドルを右回りで1回転させた所でデジタル表示を見ると、前回ブログに書いた様に1.79、つまり下方向の移動量はハンドル1回転で1.79となっている。そして、同じ様に上方向の移動量をチェックすると、当然のことながら1.79となっている。
と云うことは、このFM80E(A)Z軸の移動量は、ハンドル1回転で1.80であり、2.00ではない・・・・・・?
因みに、ハンドルの目盛りの数を数えると36個。
1目盛り0.05mmと表記されているので、36 X 0.05 = 1.80となり、デジタル表示は正しい。

つまり、X軸Y軸の移動量が2.00mmであるので、Z軸も2.00mmであると小生が勝手に思い込んでいただけで、機械の仕様としては1.80mmとされている訳で、前回のブログの記載内容を訂正させて頂く次第

それにしても、Z軸の移動量がX軸Y軸と違っているのは、使う方としては甚だ面白く無い。3軸共に移動量を統一してくれたら良いのにと思うのは小生だけだろうか???

曲りなりにでも3軸ともDRO化が完了したので、問題点としては解決したのだが・・・・。

フライス盤のDRO化(5)-Z軸-完

DRO(デジタル・リード・アウト) 工作機械用治具

イヨイヨ、最後のZ軸DRO化

ここに使うデジタルノギスはML-210ミーリング・アタッチメントで使用していたものを流用することにした。

FM80-DRO-009従って、ジョーを切断したりデータ表示部の裏蓋にタップを立てる必要もなく、工作と云えばアルミのステイを作るのみ。それも、X軸用のステイを作る際に失敗したものを利用したので、ドリルで径3mmの穴を空け、皿モミしただけで、ものの15分程で完了してしまった。

工作は簡単だったが、ここで問題が・・・・・。

実は、当初、バーとデータ表示部の固定にはネオジム磁石を夫々1個使う予定にしていたので、Z軸用には2個しか用意していなかった。しかし、1個だけでは吸着力が足りず、データ表示部がズレてしまうことが分かったので、急遽、2個使いに改めた。
と云う訳で、ネオジム磁石が不足することになったので、現在の所、主尺のバーの固定は完了していない。

追加でネオジム磁石を調達して固定化する積もりだが、取り敢えずフライス盤DRO化は完了したことにして、XYZの各軸について、ハンドルの目盛の読みデジタル表示内容とチェックしてみた。

先ず、X軸及びY軸についてだが、ハンドルの1回転で2mm移動する筈で、その際のデジタル表示は1.97~1.98の倍数
出来れば2.00の倍数を表示させたい所だが、主尺のバーの水平・平行度が完璧ではないので致しかたない所だろう。又、仮に2.00の倍数を表示出来る様に取り付け位置を調整出来たにしても、小生には0.02mmを追える程の腕前はないので、ここで0.02を云々する意味がない。

ついで、Z軸・・・。
Z軸もハンドル1回転で2mm上下する筈なのに、デジタル表示は1.80の倍数になっている。先に述べた様にバーの固定が出来ていないので下げる方向の一方通行だが、0.2mmもズレているのは誤差と云うには大き過ぎる
実は、X軸Y軸のステイをアルミから切り出している際、ハンドルの目盛りで寸法を割り出すと、どうしても目的の寸法に上がらず疑問を持っていたので、やはりそうだったか・・・・・・と云う印象。

主尺のバーの固定化が完了してから再度チェックした上で、どうしても可怪しければ寿メカニクスに連絡してみようと思う。

 

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